第８０１号／人生への向き合い方を。

人生はさまざまな人やそれ以外のものとの「出逢い」の連続なのですが、若い頃は、自分の未熟さもあり（今もですが）そのさきにある突然やってくる「別れ」に恐怖を感じていたことがありました。その原因は、自分自身のいたらなさ、予測不能の自分以外の理由などいろいろあるのですが、その「別れの切なさ」から生まれる傷つくことが怖かったんですね。でも失恋で「別れ」を繰り返すうちに（笑そこで生まれる相手をより想う気持ちや、自分の想いの届かないジレンマに対する、自分自身を俯瞰する視点、大げさにいえば、より「人間の機微」という、その見えない部分を見えるようにしていくスキルが、ほんの少しですが、知らず知らずのうちに育まれるようになってきて、そこに自分自身を見る視点、他人の言葉にしていない部分を見る視点が、ちょっとだけわかるようになってきたような気がします。出逢いと別れの質は、たった一度の人生に大きな影響を与え、そこで想い、感じた心の感情の伸びしろが、その人の人生への向き合い方を形成していくのかもしれませんね。