第８５７号／相手の心の温度を常に気にかけているか、そこに気づく感度を磨いているか。

言葉という人間だけに
あたえられたこの特権、
（厳密に言うと、
人間以外の世界にも
その世界の言語はあるとは思いますが）、
よく言われるように、
刃物の使い方と全く同じ。

包丁は、プロの料理人に
使われることによって、
すばらしい料理ができあがり、
違う目的で使われると、
凶器となってしまう。


要は、使い手によって、
価値が決まり、
価値が変化してくるということ。


言葉も同じ。
自分では悪気はなくても、
相手の受け取り次第で、
まったく意図しない感情を
持たれてしまうこともあるし、
傷つけてしまうこともある。

（私も気をつけているつもりが、
自分の知らないところで
たくさん失敗していると思う）


以前、武道の雑誌に
ある武道団体の支部長の方が
言われていた言葉が
掲載されていて、

「生徒の心に火がつく時を知るには、
生徒の心の秒針の音に耳を傾けることが大切」

と書かれてあり、
多いに共感。


人の心に新しい風を
いれるような言葉を送るには、
文章表現などの
ライティングのスキルも
もちろん重要だが、
それよりも大事なことは、
相手の「言葉になっていない心の言葉」の
秒針の音を聞き逃すことなく、
気づいてあげること。

「相手から引き出す」
ということもよく言われるが、
それは、相手の
「言葉になっていない心の言葉」の
秒針の音に気づく力と同義語か、と。

相手の心の温度に敏感でなければ、
「自分目線」が強くなってしまう。


相手の心の温度を常に気にかけているか、
そこに気づく感度を磨いているか。

自戒を込めて。


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発行責任者／尾又　大輔

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