第８５３号／親しき仲にも礼儀あり。親しいからこそ距離感の取り方にセンスがでる。

親しき仲にも礼儀あり、といつも思う。
というのも、
どんなに親しくなっても、
礼儀や義理を欠かさない人に会うと、
こちらが襟を正されるからだ。

最初していたのに、
後からやらなくなったりするなら、
最初からやらなければいいのに、って、
いつも思う。


親しくなっていくことは
とても重要だが、
だんだん崩れて、
いわゆる「なぁなぁ」になっていくと、
よほどその方に魅力がなければ、
その関係は大概破綻する。

以前、セミナーを主催したときに、
登壇した講師の家族ということで、
無料にしてほしいというようなことがあった。

こういう場面に出会うと、
その価値を伝えられていない自分自身にも
悲しくなるが、
「なんでも無料でいいよね」という
意識の低さや感覚が、
本当に虚しくなる。


情報は無料ではない。
何でもお金、という話でもない。

ただ、その目に見えない
技術、価値に対して、
敬意をしめすことがあっても
いいのではないか？

それはその方の
「目に見えない部分に関しての努力」に
敬意を払うことでもある。

親しくなったからといって、


歌で仕事している人に
気軽に「なんか歌って」。

お笑いで食べてる方に、
気軽に「なんかおもしろい話して」。

書で仕事している方に、
「なんか書いて」（サイン会などは別として）

写真家に簡単に、
「撮影して」

デザインなどのスキルで、
食べてる人に
気軽にお願いすること。

他にもあるが、全部NG.



親しき仲にも礼儀あり。
親しいからこそ
距離感の取り方にセンスがでる。

専門家に気軽に、無料で
簡単にお願いすることは、
（クレクレ星人、
聞くだけ星人という言葉もあるが）
その人に敬意を払わないことと、
その人の陰の努力、
もっと言うと、
その人の歩んできた道を
冒涜することと同義語。

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発行責任者／尾又　大輔

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