なりたい自分になれないとしたら、それは自分が「なりたい自分になる」という夢を捨てたときだ。
武道の世界は、
結果が常にフェア。
言い訳はまったく通用しない世界だ。
努力や練習の質を改善していくことはあっても
練習をしている者がやはり一番強い。
練習していない者は、
自分より練習している者に必ず抜かれる。
自分が休んでいるときに、
動いている者だけが前に進んでいるという
極めて当たり前の理屈。
昔、私も、
自分が先に入門したことに、
どこかで先輩という立場に胡坐をかき、
慢心していた時がある。
中途半端な状態で、
久しぶりに、
後から入った人間と組手をする時があった。
組み合った瞬間、
「相手が、自分がサボっていた期間に
以前より練習して強くなっている!」と感じた衝撃は
今も忘れない。
自分がサボっていたという
自分自身に対する客観視を
後輩のひたむきな努力が
身をもって悟らせてくれたあの瞬間。
仕事でも
「自分のほうが先に進んでいる」と思って、
上から目線で安心してそこに胡坐をかきはじめると、
必ず停滞=後退していく。
努力の方向が間違っていないか
常に矯正していく必要性はあるが、
前提に仕事にまず圧倒的に時間を投入している者が、
一番仕事ができる。
そこからメリハリだったり、
時間のスケジューリングだったり、
レバレッジだったり、
創意工夫という発想が生まれてくる。
逆に言えば、
今、差をつけられていると思っている
心のライバルも、
常に自分が乗り越えられるという可能性を持っている。
「男子三日会わざれば刮目して見よ」。
何歳であろうと
やろうと思った瞬間が、
自分自身に革命を起こすチャンス。
誰もが変化し、
変わっていける。
成長していける。
「なりたい自分に誰もがいつからだってなれる」。
なりたい自分になれないとしたら、
それは自分が「なりたい自分になる」という夢を
捨てたときだ。
私も「なりたい自分」にまだまだなれていないが、
「なりたい自分になる」ことが前提で、
毎日生きている。
自戒を込めて。